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「温めると縮む」革新的な新材料を開発!

名古屋大学大学院工学研究科の竹中康司教授、浅井大悟大学院生、岡本佳比古准教授らの研究グループは、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)との共同研究で、新しいメカニズム-原子内電荷移動-による「温めると縮む」新材料を開発しました。結晶のどの方向にも同じ比率で伸び縮みする理想的負熱膨張材料としては最大の体積収縮量を持ちます。

 通常、材料は温度が上がると体積が大きくなります。これが「熱膨張」1)です。ところが、ごく希に、温度が上がると逆に体積が小さくなる材料もあります。この性質は「負熱膨張」2)と呼ばれ、熱膨張制御の役割が期待されます。そこで、研究グループでは、一硫化サマリウム(SmS)と呼ばれる硫黄化合物に含まれる希土類元素サマリウム(Sm)を20%程度、別の希土類元素イットリウム(Y)に置き換えることで、大きな負熱膨張を実現しました。

 高度に発達した現代産業では、精密加工・計測・光学分野を中心に熱膨張制御が必須とされており、とりわけ近年では、集積回路を形成する樹脂部材やパワー半導体におけるヒートシンク接合部など、先端電子デバイス分野でも強く求められています。開発された新材料は、今後広く、機器の性能の向上や安定化、省力化、長寿命化等に貢献すると期待されます。

 この研究成果は、平成311月15日付(日本時間午後7時)に英国科学誌「ScientificReports」電子版に掲載されました。

 なお、この研究は、文部科学省科学研究費助成事業基盤研究B(平成29~31年度)、同挑戦的萌芽研究(平成28~29年度)、ならびに、公益財団法人谷川熱技術振興基金研究助成(平成28年度)の支援を受けて実施されました。また、この研究は、物質・材料研究機構の「NIMS連携拠点推進制度」の一環として、本学共同で実施されました。

近年における産業技術の高度な発達は、固体材料の宿命とも言える熱膨張1)すら制御することを求めています。1メートルに対して10マイクロ(10万分の1)メートル程度の一般的な感覚からすればわずかな形状変化でも、ナノ(10億分の)メートルレベルの高精度が求められる半導体バイス製造や部品のわずかな歪が機能に深刻な悪影響を与える精密機器などの分野では致命的になります。また、複数の素材を組み合わせたデバイスでは、構成素材それぞれの熱膨張の違いから、界面剥離や断線といった深刻な障害が生じることがあります。例えば、加工機械、半導体製造装置、光学機器、計測機器、航空宇宙、低温工学、電子デバイなど分野の他、燃料電池やパワー半導体などの先端エネルギー分野や熱の有効利用を目指す熱電変換システムなどの熱マネジメント分野でも、熱膨張の制御が強く求められています。

 

 そのため、「温めると縮む」負熱膨張材2)が熱膨張を制御する材料として注目されています。負熱膨張材料としては、β-ユークリプタイト(LiAlSiO4)やタングステンジルコニウム(ZrW2O8)などの酸化物が知られ、これまでは、特に安価で環境にもやさしいβ-ユークリプタイトが実用されてきました。しかし、これらの従来材料、負熱膨張の度合いが大きくはありません。そこで、近年は相転移3)にともなう体積変化をある温度幅でじわじわと起こさせることで大きな負熱膨張を実現する試みがなされ、ビスマス-ニッケル酸化物(B0.95La0.05NiO3)、鉛-バナジウム酸化物(Pb0.76La0.04Bi0.20VO3)などの新材料が見出されました。しかし、これら「相転移型」負熱膨張材料の多くは、結晶の方向によって伸び縮みの比率が大きく異なり(表1)、繰り返される温度変化で歪みや欠陥が入り、機能劣化する欠点がありました。また、磁性転移や電荷整列転移のような多くの原子の間で協力的に生じる現象による負熱膨張では、機能が結晶の大きさに左右され、1ミクロン程度の微粒子で巨大な負熱膨張を実現することができませんでした。そこで、研究グループでは、より広い実用のために、結晶方位依存性もサイズ効果もなく、大きな負熱膨張が広い温度域で実現される新材料の創出を目指し、様々な検討を行ってきました。ここで注目したのが、サマリウムSmに含まれる電子が、どの電子軌道に入るか、すなわち(4f)6の電子配置か(4f)5(5d)1の電子配置か、でSm原子の大きさが大きく変わる「原子内電荷移動」の現象4)でした(図1)。この現象は、基礎物理学の分野では「価数揺動」4)としてよく知られています。一硫化サマリウムSmSでは、この二つの電子配置の安定度はほとんど同じで、常温常圧では前者になる一方で、小さな刺激や元素部分置換で後者へと相転移することが知られていました。本研究では、物質・材料研究機構(NIMS)持つ高度な硫化物合成技術と本学の持つ負熱膨張材料に関する知見・ノウハウを融合させ、SmSSmを一部Yでき換て、画期的新材料の開発に成功しました(図)。体積変化量は最大で4%を超え、結晶のどの方向にも同じ比率で伸び縮みする負熱膨張材料としてはこれまでで最大です(表2)。

 

【図・表】

 

図1 (a)一硫化サマリウムSmSにおける原子内電荷移動(価数揺動)と体積の相関.4f軌道に入る電子の数が増えることで、Smの原子半径が大きくなることによる.(b) SmSの岩塩型結晶構

 

図2 一硫化サマリウムSmSのサマリウムSm原子の22%をイットリウムY原子で置きえたSm0.78Y0.22Sの線熱膨張(基準温度:  500K).体積変化量ΔV/V=4.1%,線膨張係数α=-65ppm/Kの巨大な負熱膨張が出現するここで摂氏0°C=-273.15K, 1 ppmは百万分の1.

 

表1 代表的な方位依存性のある負熱膨張材料(1 ppmは100万分の1)

 

表2 本材料を含む代表的な方位依存性のない負熱膨張材料(1 ppは100万分)

 

材料の体積を外からの刺激でいかに制御するかは、材料学における中心的課題の一つです。本研究の成果は、この分野においても画期的です。(4f)6の電子配置では体積が大きな絶縁体、(4f)5(5d)1の電子配置では体積の小さな金属であり、前者に電場をかけることで金属にすれば、同時に体積が縮むと考えられます(図1)。結晶の変形が原理となっているジルコン酸チタン酸鉛(PbZ1-xTixO3; PZT)などピエゾ材料とは異なった原理のアクチュエータ材料5)が実現できると期待されます(表3)。本材料には鉛のような有害な材料は含まれないため、現在、喫緊の課題とされている「鉛を使わない」アクチュエータ材料が実現できます。

 

表3本材料を代表的なアクチュエータ材料(1 ppmは100万分の1).本材料の特性は期待値

1)熱膨張

 温度の上昇に伴い物質・材料の体積が大きくなる現象のこと。「パウリの排他原理」という自然法則により、原子同士は極端に近づくことが許されない。このため、温度が上昇し原子の熱振動が大きくなると、反発力を受け、徐々に原子間の距離が拡がる。これが熱膨張である。自然法則に由来するため、避けがたいと考えられている。固体材料の熱膨張は線熱膨張ΔLL= [L(T)–L(T0)]/L(T0)で評価される。その温度微分、すなわち線熱膨張の傾きが、α(T)=(dL/dT)L(T0)で定義される線膨張係数αであり、熱膨張の温度変化に対する割合を意味する。ここで、Tは温度、Tは基準温度Lは温度Tでの長さである。方向依存性がな等方的な材料の場合、線熱膨張は本質的に体熱膨張を表し、ΔV/V= 3Δ/Lの関係にある(V:体積)。

 

2)負熱膨張と負熱膨張材

 通常とは逆に温度が上昇すると体積が小さくなることを負熱膨張、負熱膨張を示す材料を負熱膨張材料と呼ぶ。ごく希に存在する。負熱膨張材料は、通常の材料と組み合わせることで材料の熱膨張を特定の値、例えばゼロにできるため、熱膨張制御材料として工業的にきわめ価値が高い。

 一般的には、ある特定の温度で負熱膨張を示し、それ以外の温では正の熱膨張となる。負熱膨張を示す温度を動作温度と呼ぶ。相転移にともなう体積変化を用いた「相転移型」負熱膨張材料の場合、負熱膨張の度合いである負の線膨張係数αと動作温度幅ΔTは、体積収縮量ΔV/VとΔV/V=3αΔTの関係で結びついており、動作温度幅を拡げれば、負熱膨張の度合いが小さくなる(図3)。そのため、熱膨張抑制能力の本質は体積収縮量にあり、体積収縮量の大きな物質・材料を探し出し、構成元素の置換や欠陥・乱れの導入などの材料学的手法により動作温度幅を拡げる取り組みが必要である。

 

図3相転移型」負熱膨張の概念図.ΔV/V=3αΔTの関係にある(方向依存性のない材料では体熱膨張ΔV/V=3x線熱膨張ΔL/L).

 

3)相転移

 温度、磁場、圧力などの物理パラメータの特定の値を境に、物質の物理的状態が変化する現象のこと。典型的には、水が0°Cを境に固体(氷)から液体(水)に変化する融解などの現象がある。物質そのものが変化する化学変化とは異なる。一硫化サマリウムの負熱膨張では、サマリウム原子内において高温で5d軌道にあった電子が低温で4f軌道へ移動する「原子内電荷移動」の相転移が関係していると考えられる。

 

4)原子内電荷移動と価数揺動

 原子は、原子核と電子でできている。負の電荷を持つ電子は、正の電荷を持つ原子核に引き寄せられているが、電子のいる場所(軌道)は、量子力学的に定められており、1sとか3dなどの名前がつけられている。サマリウムなど一部の希土類原子では、4fと呼ばれる電子軌道と5dと呼ばれる電子軌道のエネルギーが近く、周りの状況によって、電子は4f軌道に入ったり、5d軌道に入ったりする。これを「原子内電荷移動」もしくは「価数揺動」と呼ぶ。一般に、希土類原子の大きさ(半径)は4f電子の数が多いほど大きいので、電子内電荷移動は大きな体積変化をともなう。

 

5)アクチュエータ材料

 熱や、電場、磁場などの外的な刺激により、形状や体積を変える材料のこと。熱を駆動力とする形状記憶合金、電場を駆動力とするピエゾ材料、磁場を駆動力とする磁歪材料などが知られる。精密な位置決め素子や、超音波発信器、各種センサー、医療器具、インクジェットプリンタのインク押し出し部、内燃機関の燃料噴射ノズルなど、用途は多岐にわたるが、実用されている材料はきわめて限定的であり、新規材料の開発が強く求められている。とりわけ、環境負荷の大きな鉛を含むピエゾ材料・ジルコン酸チタン酸鉛PbZr1-xTixO3; PZT)の代替は喫緊の課題である(表3)。

 

research-er.jp

新しいナノチューブ登場:ベンゼンを連結 〜構造の自在設計と特質制御を可能とする周期孔ナノチューブpNTの化学合成〜

https://research-er.jp/articles/view/76525

 

世界初 3Dプリントによるチタン製ブレーキキャリパー2 ブガッティ・シロン

https://ameblo.jp/ghostripon/entry-12430695712.html

 

地球の「磁場」の動きが活発化、原因は研究者にも不明

https://gigazine.net/news/20190111-magnetic-field-act-up/

  

    北半球にあるのが「北磁極」、南半球にあるのが「南磁極」で、それぞれ極点(北極点・南極点)とは1000kmほど離れています。

    南磁極は南極大陸から南極海のインド洋側へと北西に移動。

  方、北磁極は1980年はカナダのヌナブト準州内にありましたが、ぐんぐん北進して2010年に北極海・北緯85度に到達。2015年はさらに高い緯度に移動。2018年の点は描かれていませんが、日付変更線を超えて西半球から東半球に入ったとのこと。

 

動物を創造する

https://ameblo.jp/junzom/entry-12430330852.html?fbclid=IwAR0Izhw6cPMiZqir-hdo8NZTDvQyOSY0V4N39nTV959fSyvMmgYNPeT8NaA

 

中国の無人探査機「嫦娥4号」が世界で初めて月の裏側に着陸

https://gigazine.net/news/20190103-first-landing-far-side-moon/

真のリーダー

  https://ameblo.jp/junzom/entry-12431706069.html?fbclid=IwAR2_4bLIdtSWjqRaFSj9CZYS5Iu__h9YKMgdrM4vxQc3zkWkN6gVeAcafVI

  Rael Maitreya shared a post.

人を管理・統御するには、人々を好きでその人たちに関心を持っていることが必要です。真のリーダーは他の人たちを成長させ自分も一緒に成長するのです。

For managing, it is necessary to like people and to be interested in them, The true leader is the one that grows while making others grow.

 

無限の中心 ----ラエル

https://ameblo.jp/junzom/entry-12432351285.html

感じるのです
祈る時 なぜ人は手を合わせるのでしょう
または手のひらを上に向けたりします
それは自分を中心に置くためです
自分の中心を見失うとバランスを失います
無限の中で迷子になり頭がおかしくなる場合もあります
でも もし無限の中心にいるならば自分の居場所が分かります
皆さんは自分を意識し始めた無限そのものです
それについて1分間考えてみてください
無限が皆さんを通して自分自身を意識しています
その時だけエゴがエゴでなくなります
エゴ 私 私は無限の中心なのでエゴを持ちません
だって私は無限なのですから
無限はエゴを持つことはできません
皆さんの無限を意識することでエゴは消えます

2019/01/12 に公開

https://www.youtube.com/watch?v=TREp8mJHogw

 

無条件のベーシックインカム 500年にさかのぼる歴史 - SWI swissinfo.ch

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